【1歳2歳3歳向け】言葉の遅れが気になった時にやってみたいこと。

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今回は、言葉の遅れについてです。
普通の発達過程で成長している(いわゆる定型発達)のお子さんでも、少し悩んだ経験がある方もいると思います。
この記事に辿り着いた人は、今まさに悩んでいる最中かもしれません。
言葉が遅い時に周囲から言われる言葉は









こんな内容が多いと思います。
確かに、第一子で男の子の場合は特に言葉が遅い傾向はあるようですね。
でも、第一子で男の子でも早い子はいるし、第二子以降の女の子でも言葉が遅い子はいます。
そのうち言葉の爆発期が来てペラペラ話すようになるかどうかなんて、その時が来ないと分かりません。
最近は早い段階で自閉症など発達障害の診断がつくケースも増えてきました。
その場合は、療育などの支援が受けられるのでまだ良いですが、まだまだ3歳くらいまでは様子見とされてしまうことが多い現状。
様子見って言われたけど、親としては何かできることをしたい
言葉の発達を促すためにどうしたらよいの?
今回はそんな人のために



- ことばが順調に発達する8つの条件
- ことばの発達を助ける有利な条件
- ことばの3要素とは。
- 有効な配慮や関わり方の例
- 講習を受けられる場所、おすすめの本
ことばが順調に発達する8つの条件
- からだの発育が良好で健康な事
- 中枢神経に障害がない事
- 知能が遅れていない事
- 情緒が安定している事
- 社会性(特に対人関係)の発達が十分である事
- 耳の聞こえが良い事
- 話すのに必要な器官(舌・唇など)の運動が良い事
- ことばの発達を助ける有利な条件があること
出典:「健診とことばの相談~1歳6か月児健診と3歳児健診を中心に」中川信子/ぶどう社



長女は重複障がい児です。
これを聞いた時「もう言葉が遅くても仕方がないよね」と、ちょっと開き直れました(笑)
上記8つ全て当てはまっていて言葉が出ていない場合は、おそらく3歳くらいまでには言葉の爆発期が来るでしょう。
「あの時は心配したよね~」と笑って話せるケースなのかなと思います。
しかし、何かしら当てはまらない項目があって言葉が遅い場合があります。
この場合は関わり方にひと工夫が必要だったり、医師の診断が必要なケースがあります。
特に耳が聞こえているかどうかは、しっかり確認しましょう。
そもそも聞こえていなければ、どんなに声をかけても本人には届きません。
補聴器などで聞こえを助けられる場合もあります。
言語聴覚士の先生も、言葉が遅い場合、まずは聞こえているかを確認すると言っていました。
ことばの発達を助ける有利な条件
上記8つ目の、言葉の発達を助ける有利な条件とは、どんなものか見てみましょう。
- ことばがたくさん聞ける環境
- ことばがたくさん使える環境
- 話すことに喜びを抱かせる環境
- 話すという必要を強く感じさせる環境
出典:「健診とことばの相談~1歳6か月児健診と3歳児健診を中心に」中川信子/ぶどう社
ことばがたくさん聞ける環境づくり
子どもの言葉が遅い時に
「たくさん話しかけてあげましょう」
「たくさん絵本を読んであげましょう」
と言われます。
でも、



と思っている人も多いはず。
ここで大事なのは
とにかくたくさん話しかければよい訳ではないということ。
こどもが分かるようにお手本を示すことがポイントです。
・適切な長さで
→単語、2語文、3語文。本人の理解度に合わせた長さで話しかける。
・子どもの興味に視線を合わせる。目を向けているものに話しかける。
→興味が無いものは耳に入りにくい。
こどもが電車を見ていたら「電車だね。○○色の電車だね」等、見ているもの・興味があるものを言語化する。
・今のレベルの一歩上のお手本を示すことも大事。
→単語が出ているけど2語文がまだであれば、2語文で話しかける場面を増やす。
・必要に応じて、声掛けに合わせて実物やジェスチャーを添える。
→目と耳から情報を与える。写真やおもちゃ等も活用する。
ことばがたくさん使える環境
こどもの発信を「待つ」ことがとても大切です。
結構先回りしてしまっている事多くないですか?
私もそんなつもりは無かったのですが、改めて振り返ると結構やってました。
お茶が少なくなっていたら本人が訴える前につぎ足すとか。
ここでのポイントは
・本人がして欲しいことを察して先回りしない。
→言葉に限らず、目線やジェスチャー等、本人の発信が出るよう「間」を持つ。
・発信が無い時は、言葉でモデルを聞かせる
→「お茶、おかわり?」「スプーンかして、だね」など
・質問しすぎて詰問にならないように注意する
話す喜びを抱かせる・話す必要を強く感じさせる環境
こどもが出した発信をうまく汲み取り、伝わったことをフィードバックします。
発信出来たら要求をかなえてあげることで、
便利・楽しい、伝わる、もう一回言ってみよう
という気持ちが育ちます。
発音が間違っていても受け止めてあげましょう。
伝えることで空腹が満たされる。
遊んでもらって気持ちが満たされる。



ことばの3要素とは
ことばは以下の3つの要素で成り立っています。
意味の理解
「りんご」とは何かを理解する。
生活の中でとりんごと接することで意味が分かるようになる。
発語
「りんご」と発声すること。
成長して舌の作りが整い、声を出す技術を身に着けると発語が出来るようになる。
コミュニケーション
「りんご」ということばを使って、周囲とやり取りすること
それが出来て初めてことばが意味を持つ
ことばは、「知っている言葉があって」「発音することが出来て」「伝えたい気持ちがある」ことで出てきます。
わたしたちは「言えることば」に目を向けがちですが、
「言えることば」を伸ばすために「わかることば」「わかることがら」を豊かにしていくことが重要です。
引用:「ことばの氷山」
わかることが先。言えるのは後。
ことばの発達を促す有効な配慮や関わり方
本人の行動や気持ちを言語化する。
ことばが出てこないと、癇癪が多かったりしますよね。
我が家もそうです。
特に2歳~3歳にかけての癇癪は大変なものでした。
今も癇癪はありますが、言葉が出るようになってからは大分落ち着いた印象です。
娘が癇癪を起した時に、状況を解説するようにしていました。
例えば食事中に、食べ物にうまくフォークが刺さらなくて癇癪を起した時
- 「フォークが刺さらなかったんだね」
- 「お肉、食べたかったんだね」
- 「上手くいかなかったんだね。悔しかったね。」
- 「もう一度一緒に刺してみよう」
- 「ゆっくりやれば出来るよ」
- 「上手にできたね」
- 「美味しいね」
一例ですがこんな感じです。
繰り返していく内に、娘も「くやしかったー」と真似して言えるようになりました。
最近では、転んだ時など「痛かったー」「転んだー」など自分から状況を言えるようになっています。
実物を見せながら声掛けをする
講師の先生が事例を紹介しながら説明してくれました。
私たち大人も、魚の切り身の状態で判別できても、魚本体だと分からなかったりしますよね。その逆も然り。
普段から見ていないと分からない。
私たちが当たり前に分かっていることが、こどもにとっては当たり前では無い事ってたくさんあります。
講師の先生は食後の果物を出す際、子どもたちの前で皮をむくそうです。
果物の皮をむく前と後の状態を見せることが出来ます。
さらに、この一連の動作でたくさんの言葉を伝えることが出来ます。
- 赤いリンゴ。(複数あれば大きい小さい)
- 皮をむく。
- 剥いた皮の長さを比べて、長い短い
- 半分に切る。
- 見た目で美味しそう、食べてみて美味しい。甘い。
この動作だけで、色・物の大きさ・長さ・分量・動詞(剥く)・形容詞(美味しい)などがあります。
一つ一つ短く、ゆっくり伝えるのがポイント。
子どもの近くで刃物を使うのは難しいなあという時は、台所で切る前に見せるとかでも良いと思います。
子どもの興味を惹く方法を見つけられると良いですね。
こどもの発達について講習会を受けられる場所
私は、とある特別支援学校の地域支援講座を受講しました。
自分で本を読んだりネットで調べたりするよりも、実際に講習会などで話しを聞く方が理解しやすいですね。
調べてみると子どもの発達に関する講習会を開いている場所はちらほら見かけます。
- 教育系の大学
- 医療福祉系の大学
- 地域のNPO法人
- 地域の発達支援センター
- こども病院



また、保育園や幼稚園の先生に聞いてみるのもありです。
私が受けた講話は、受講者の半分くらいが保育園や幼稚園の先生でした。
既に療育に通っている場合は、言語聴覚士さんに「講習会の情報が来たら教えて下さい」と伝えておくと良いでしょう。
最近だとオンラインで開催している場合も多いので、自分が住んでいる地域に絞らなくても受けられる講座があるかもしれません。
LITALICOさんも色々無料講座をやっていますしね。
気になる講習会があったら参加してみましょう。
言葉の遅れが気になった時にやってみたいことのまとめ
耳の聞こえに問題が無いか確認する。
子どもをよく観察し、子どもが興味を示しているもの、子どもの感情や行動を言語化する。
言語化するときは、適切な長さ、短く・ゆっくりを意識する。
絵本や写真だけではなく実物を見せる。
なんでも先回りしない。子どもが言葉を発するのを待つ姿勢を心がける。
いろいろ書きましたが、
本人の目線を追いかけて、興味を示しているものを言語化する
まずは、これだけでも良いと思います。
少しずつ子どもの特性を理解し
子どもが「言葉を使うことは楽しくて便利」と思えるように援助していけたらいいですね。
我が子のことばが遅いと本当に焦ってしまいます。
でも頑張り過ぎず、大人も一緒に楽しむことが大切です。
講習会の中で、中川信子さんの本を一部参考にしているとお話しがありました。
中川信子さん
言語聴覚士(ST: Speech-Language-Hearing Therapist)
子どもの発達支援を考えるSTの会代表
ホームページ:中川信子 そらとも広場
中川信子さんが書いている本
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