【書籍レビュー】きょうだい-障害のある家族との道のり-
『きょうだい-障害のある家族との道のり-』は、きょうだいが書いたきょうだいのための本です。
きょうだいの年代によって、よく生じる想いや悩みを解説し、対処法のアイデアが書かれています。
親向けのコラムもあり、親がきょうだいと一緒に読んで、共に悩み、共に考えながら生きていくために勉強になる一冊でした。
障害児・障害者の兄弟姉妹を指します。
【きょうだい】書籍情報
書籍情報 | |
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著者 | 白鳥 めぐみ 、 本間 尚史 、 諏方 智広 (敬称略) |
出版社 | 中央法規出版 |
発売日 | 2010年10月1日 |
頁数 | 290 |
本の大きさ | 15.7 x 1.7 x 21.3 cm |
電子書籍 | 有 |
価格 | 1,980円(税込) |
「どうしていつも弟だけ?」「僕にも発作は起こるの?」…。
中央法規出版より
きょうだいだから考えること、気になることを63のエピソードで紹介。
特有の想いを客観的に解説し、きょうだいからヒントを提案する。自分だけではないと共感し、前向きになれる一冊。
親・先生向けコラムも掲載。
【きょうだい】を読んだきっかけ
きょうだいの育児について参考になる本がないか探していました。
「きょうだい 本」でWeb検索して一番最初に出てきたのが、読んでみたきっかけです。
わたしはKindle版で購入しました。
Kindle版は目次からもう一度読みたいコラムやエピソードのページに飛ぶことができるので、何回も読む時に便利ですね。
【きょうだい】要約ポイント
きょうだいの年代が4つに分かれています。
- 学校に入るまで…病気や障害への疑問
- 小学生から中学生…他の家族との違い、世間からの見られ方に気づく
- 高校生から大学生…自分自身の生き方を選ぶ、親との関係に悩む
- 大人になってから…就職、結婚、出産、親なきあと 人生の節目の悩み
全部で63のエピソードと6つのコラムがあります。
すべてのエピソードが以下の構成で書かれていて分かりやすいです。
目の前で話しているような語り口調で、きょうだいの想いが書かれている
エピソードの内容を客観的な視点で分析・解説している
エピソードへの対処法についてヒントが書かれている
エピソードは著者の体験や、これまで出会った方々からのお話しを組み合わせて作った架空のものです。
年代ごとによくあるものが集められています。
【きょうだい】から学んだこと
我が家のきょうだいは現在4歳のため、第一章の「学校に入るまで」を重点的に読みました。
この年代は「どうして〇〇なの?」という疑問のエピソードが多いです。
2〜6歳は『なぜなぜ期』といわれ、身の回りの物事に「なんで?」「どうして?」と質問を繰り返す時期。
自分ときょうだいの違いに気づいて、たくさん疑問がでてくるのだと思います。
病気や障害の説明はとても難しいですが「まだわからないだろう」ではなく、一つ一つ丁寧に説明することが大切だと学びました。
上手く説明できなかったり、すぐ答えが出ないときでも「調べてみるね」と伝えて、何でも聞いていい雰囲気を作っていきたいですね。
子どもたちはだいぶ成長してきましたが、まだまだ大変なことが多く、私自身余裕がないことが多いです。
つい「あとでね。ちょっと待っててね」と言ってしまいがちですが、本を読んだことで
ちょっと我慢させすぎてるかも!?
さっきの質問への回答はいまいちだったな。次はもう少しわかりやすく伝えられないかな?
と振り返られるようになりました。
次女の成長とともに読み返し、長く付き合っていける本だと思います。
【まとめ】
この本を読んで、きょうだいが親に言えない想いを知ることができました。
幅広い年代に向けた本ですが、早くから子どもの想いに応えるためにも、特に未就学児のきょうだいを育てている保護者におすすめします。
きょうだいのために書かれた本のため、ヒントには
- 親に頼んでみましょう
- 大人に話してみましょう
と書かれてる箇所があります。
でも、どうしても親に言えないことってありますよね。
自分の子ども時代を振り返ると、虐められた等のマイナスなことは親を心配させたくないので言えなかったです。
伝えることができても、親が大げさに悩んだり、動揺したりすると「言わなきゃよかった」となってしまいます。
そうならないためにも、きょうだいがこれから直面するであろう問題や悩みを事前に知ることは大切ですね。
子どもが幼いうちから少しずつ準備していくために、勉強になる一冊でした。
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