障がい児者きょうだいのセミナーに親の立場で参加した感想
ご訪問ありがとうございます。
11月14日(土)にオンラインで開催された「知りたい!聴きたい!障がい児者のきょうだい」セミナーに参加しました。
なんと1500名も参加していたとか。
障がい児ときょうだい児を育てる親としては、きょうだいの想いは本当に知りたいところ。
とても勉強になりました。
コロナは憎いですが、自宅で有意義な講義を受けられるようになったのは有難いなあと思います。
今回はセミナーの学びと感想をまとめてみました。
私が感じたことをまとめている為、もしかしたら講師の方が言いたいことと少し違って捉えている可能性もありますのでご了承ください。
きょうだいの子供時代
講師の方が子ども時代のことや想いを語ってくれました。
・兄弟のことが恥ずかしい
・同級生にからかわれるのが嫌だった。
・他人から馬鹿だと思われている兄の兄弟だと思われたくない。
・家族を守るのは自分しかいないと思っていた。
・両親の仲が悪かった。
・親の愚痴を聞いていた(今思えば親の心ケアをしてくれるところがあれば良かった)
・親には言えない気持ちがあった。
・家以外の拠り所(学校の保健室)に救われた。
講師の方は自分より年上の方もいましたが、自分の子供の想いを聞いている気持ちになり涙が出ました。
(兄弟のことが恥ずかしい、兄弟だと思われたくない、同級生にからかわれるのが嫌)
ここら辺は次女も感じる日が来るのかなあ、と。
先日こども病院で、長女がウロウロしたり奇声を上げたりしてしまい、少し注目を浴びてしまいました。
こども病院なのでそこまでの注目では無かったですが、地域のスーパーとかだったらもっと視線が痛かったと思います。
障がい児育児業界に参入して4年目になる私ですが、結構へこみましたね。
親でも心が「あいたたた~」ってなるんだから、きょうだいだったら恥ずかしいと思って当然だと思います。
障がい児者に対する世間の意識は変わりつつあるものの、からかわれたりイジメられたりすることもあるかもしれません。
そうなった時にどう対応するか、今から考えておかなくてはいけませんね。
次女には負担をかけないようにしたいとは思っていますが、どうしても大変な姿を見せてしまうことはあると思います。
でも、大変だけどうまく乗り切っている姿を見せていけたらいいですね。
理想ですけれども。
きょうだいの思春期
続いて、思春期の頃の想いです。
・兄弟のことを友人に説明したくない
・兄弟(家族)から離れるために遠くの学校へ進学した。
・兄弟と話さなくなった。すると兄弟が敬語で話すようになり、そのことが嫌だった。※障がい者(その方はダウン症)は社会性が身に着くと家でも敬語を使うようになることがあることを後から知ったとのこと。
・3人家族(父母兄)+1(自分)という感覚があった。
・自分の気持ちを表現する場が無かった。
・身近に同じ境遇の人がいない。
・日本は家族の中で起こることは家族で解決することが当たり前で、専門家に行く機会が少ない。
大人になって感じること
・中高生の時にもきょうだい会があったらよかった。
・きょうだいについての知識が、親子ともにあれば良かった。
・世間の障がいに対する意識は変わって来ているが、きょうだいの思春期の想いは今も昔も変わらない印象。
・きょうだいは『教育・福祉・医療』に当てはまらない存在だが支援が大切。
思春期は家族に障がい児者がいなくても難しい年ごろです。
ただでさえ、家族とか兄弟とか外であまり関わりたくない時期ですよね。
他の家族(障がい児者がいない家族)と比較して黒い気持ちが出てきてしまったりすることも当然あると思います。
講師の方の話しを聞いて、この時期は特に専門家の介入やきょうだい会との関わりが重要になってきそうだなと感じました。
きょうだいの独立
・18歳から家を出た。
・海外へ行くことを決めた。母が「自由に生きていいよ」と言っていたが、本当に行くとは思っていなかったようで、親子断絶になった。
・完全に家族と離れる選択をしたのは良かった。
・父にうまく生きられないことを八つ当たりしたこともあったが「お前の人生だからゆっくり考えたらいい」と言って貰えた。親が自分と向き合ってくれた。
・独立=一人暮らしではない。独立とは自分で考えて自分で決められるようになること。
私も次女には(長女もですが)「自由に生きて欲しい」と思っています。
家族と離れたいと思ったら、その気持ちを尊重したいと今は思っています。
しかし、いざ海外に行くと言われたら、私も素直に送り出せるだろうか?と疑問に思いました。
昔、錦織圭選手が13歳で単身渡米したと聞いた時、当時独身でしたが「本人も凄いけど、親の決断力が凄い!」と感心した記憶があります。
ご両親は心配で心配でたまらかったと思います。
13歳とまでいかなくても、いつか必ず親元を離れる日が来るわけで、、、。
長女に対しても次女に対してもそうですが、私自身が子育てを生きがいにし過ぎず、「子どもたちの人生は子どもたちのもの」と意識しておかないといけないですね。
きょうだいの恋愛・結婚
・弟のことを話したら振られるのではと思い言えなかった。
・人間関係がうまくいかない時に弟のせいにしていたが、30代になって弟のせいにするのをやめた。
・妻に打ち明けたら以外とスムーズに進んだ。結婚は難しいと勝手に思っていた。
・きょうだい会でも結婚して子供が生まれた仲間が増えてきた。
・実際に、相手や相手の家族の理解が得られなくて上手くいかなかった話しもある。
私の友人の旦那さんがきょうだいです。
友人自身は迷いはないようでしたが、友人の母が少し難色を示したと聞きました。
今はなんのトラブルもなく親戚関係が築かれていますが、すべての家庭で順調に行くとは限らないですよね。
理解がある家庭の方と出会ってほしいと願うばかりです。
きょうだいの方の話しや、自分の周りにいるきょうだいの様子を見ていると、全く出会いがないとか上手く行かなかったケースばかりではないので、あまりネガティブになる必要は無いんだなと感じました。
親亡き後のこと
・子の方から親に対し「亡くなった後の事を考えて」とは言えない。
・親も考えすぎてしまって動けない様子。
・突然親が入院した時にパニックになった。
・親が亡くなった後、銀行が凍結されて大変だった。
・父親の時は余命宣告があった為、遺言や相続の話しをする時間があった。母親も病気になった時は「いよいよかな」と思い動揺。きょうだいの仲間に相談した。
自分亡き後のことについて、全く考えていないという親はいないと思いますが、考えすぎて動けないというのは分かる気がします。
余命宣告があり、あと〇年とかになれば具体的に動けますが、そうでないとなかなか難しいですよね。
でも、人間だから明日死ぬ可能性だってあるし、常に準備は必要なんですよね。
とりあえず、
・夫が亡くなったパターン
・私が死んだパターン。
・両方が一緒に亡くなったパターン。
この3つのマニュアルを作っておかなくてはと思っています。
そして、子供たちの年齢に応じて更新していく必要もあります。
色んなパターンを想定して保険には加入したけど、誰がどうやって申請して、その後の生活にどうやって活用していくかとか全く決めてません、、、。
誰が子ども達を見るのかとか、施設に入るのかとか、考えなきゃなあと思ってるけど、思ってるだけなのです(汗)
兄弟の障がいについて親から伝えられたのはいつ?
・15歳。ダウン症について書いてある本を渡されただけ。
・9歳。弟は自分で将来のことを決められないけど、あなたは自分のことは自分で決めなさいと言われた。
・5歳。弟(3歳)の障がいが検査で発覚した後。
・教えられなかった。学校で知った。
これも難しい問題ですが、我が家ではなるべく早く伝えようと考えています。
次女の発達段階にもよりますが、だいたい年少さん(4歳になる学年)が目安かなという印象です。
なぜ年少さんかというと、今長女が通っている保育園で「なんで長女ちゃんは車椅子なの?」や「なんでお話しが出来ないの?」と聞かれるようになったのが年少クラスになってからだったからです。
未満児クラスの時は聞かれたことが無かったんですよね。※もしかしたら先生に聞いていたのかもしれませんが。
もちろんその前に次女から聞かれたら、その時に答えるつもりです。
一般的な成長だと4歳くらいで少し理解できるのかなあと思っています。
きょうだいの支援グループ
セミナーで紹介された主な支援グループのサイトです。
Sibkoto シブコト ~障がい者のきょうだい(兄弟姉妹)のためのサイト~
↑こちらのサイトの参考情報のページに全国各地のきょうだい支援グループの情報がまとめてありました。
講師の方からのアドバイス
※ラインを引いた部分が講師の方のコメントの一部です。
『どうしたって悩みはあるけど、どうしたら前向きになれるのか。
一人では結論が出ないので仲間の存在が必要。』
これに関しては親も一緒ですね。
親の会だったり、療育先で出会った父母たちと話しをして救われることがあります。
同じ境遇の仲間の存在はやはり大きいもの。
(障がい児者の親の気持ちは親にしか分からない)
(障がい児者本人の気持ちは障がい児者本人にしか分からない)
(きょうだいの気持ちはきょうだいにしか分からない)
想像は出来ても限界があるし、家族だからこそ話せない気持ちって、それぞれ持っていると思います。
『家族それぞれが自分らしい人生を送る』
家族それぞれお互いの気持ちを尊重しながら、依存せずに適度な距離感で生活出来るのが理想ですね。
そのためにも、各々家以外にも拠り所を持つことが大事だと思います。
『きょうだいは親をよく見ている。親が頑張りすぎると、自分が頑張って親を助けなければいけないと思ってしまう。親が学校、行政、福祉を理解しに助けてもらう姿を見せる』
『自立とは助けて欲しいと言える勇気を持つ。資源を有効に活用できるようになること』
これは、ハッとさせられました。
色々福祉サービスは利用していますが、まだまだ家庭内で頑張ってしまい、疲れて「キーッ!!」となっている自分がいます。
次女が生まれた時に市のヘルパーサービスを利用できたのですが
と思って利用しませんでした。
そして、家事が回らなくて何度も「家事代行サービス」を検索している自分もいたり、、、。
忙しくなると苛々して長女ともバトルしがちになります。
先日強めに怒鳴ってしまった時、0歳の次女がじーっと目をまん丸くして見ていたことがありました。
(やってしまった。。。)
と反省しても後の祭りです。
以前はこども病院の心理士さんに話しを聞いてもらった時期もあったけど、最近行って無かったです。
近いうちにコロナで溜まりに溜まった話しを聞いてもらいに行こうと思います(笑)
障がい児ママとの繋がりはあるけれど、それでも全てを話せるわけではないです。
人にもよるかもしれませんが、私は辛い時ほど人に話せなかったりします。
落ち着いた頃に「実はこんなことがあってね~」と話すことの方が多いですね。
重い話しって相手も困るだろうし、相手の反応によっては話したことで逆に自分が傷つくこともあるから難しいです。
こういう時は専門家に聞いてもらう方が気が楽だったりしますね。
子どもたちのためにも、自分のメンタルケアは大事にしていきたいなあと思います。
まとめ
今回、きょうだいの方から色々なお話しを聞くことが出来て、次女を育てていく中で気を付けた方が良いことなどを自分なりに学ぶことが出来ました。
きょうだいをテーマにしたお話しではありましたが、自立に関することや親亡き後のことななど、さまざまな立場の人にとって勉強になるお話しだったと思います。
しかし、まだまだ情報は欲しいし、今意識していても子ども達の成長と共に薄れていくかもしれません。
忘れない為にも、今回のようなセミナーには今後も積極的に参加していきたいですね。
親側の立場からすると、きょうだいの声は胸に突き刺さるものもありますが、決して耳を塞いではいけないし、きちんと受け止めていく必要があると感じています。
きょうだいについて知る機会を与えて下さった講師の皆様には本当に感謝申し上げます。
また機会がありましたら是非宜しくお願い致します。
コメント