脳性麻痺の長女の成長~3歳編~
長女は1歳のときに『脳性まひ』と診断されました。
当ブログでは4歳半ころまでの成長記録を掲載しています。
この記事を読んで、あなたの子どもと似ている症状があっても、長女と同じ診断を受けるとは限りません。
あくまでもたくさんの症例の中の一例であるということを念頭にお読み頂ければ幸いです。
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3歳の成長
体格
まずは身長と体重から
身長:93.9cm~97.5cm
体重:13.5kg~14.6kg
身長91.5㎝ 体重13.3㎏
食事
長女が3歳になってすぐに世間では新型コロナウィルスが流行しました。
その数か月後、年少に進級してすぐに、保育園の登園を自粛することに。
この間、自分で出来ることを増やすために、自宅で主にトイトレと食事の自力摂取の練習を頑張りました。
ちなみに何度も書いていますが、この時のトイトレは失敗しています(笑)
前回の記事にも書きましたが、フォークなどを使う頻度は増えたものの、一口ごとにフォークを置いていました。
そして気に入らないと皿やフォークを投げることも。
その為、後ろから一緒にスプーンを持って口に運ぶ練習を繰り返しました。
すると
そして、一度で完結せず、好きな食べ物であれば数回口に運ぶことが出来るように。
さらに、以前は一度上手く刺さらなかったら癇癪を起して投げていたのですが、2~3回失敗しても、一生懸命狙って刺そうとする姿勢が見られました。
自粛明けに保育園に登園した際、食事面での成長は先生も驚いて褒めてくれました。
しかし、残念なことに、
原因は次女の離乳食が始まり、長女への対応が手薄になったからだと思います。
最近は、次女がおおかた一人で食べてくれるようになったので、練習を再開しています。
少しずつ上達していますが、まだまだ介助が必要です。
睡眠
睡眠についても、コロナのせいでリズムが狂いました。
保育園で短いながらにもお昼寝をしていたのですが、自粛生活で運動量が減ったこともあり、お昼寝を全くしなくなりました。
その後、自粛が明けてからもリズムは戻らず、保育園で昼寝はしない、もしくは寝ても10分で目を覚ます感じになってしまいました。
ちなみに、長女が1歳の時にエアウィーヴのマットレスを購入しました。
凄く高いんですけど、かなり良いです。
赤ちゃん布団で添い寝をして、私が腰を痛めたのが購入の理由でした。
我が家は一つ前のモデルを購入し、当時はもう少し安かったと思うんですが、素材がさらに良くなったのか値上がりしていますね。
このマットレスのおかげで私の腰痛が改善され、長女もぐっすり眠れて疲れが取れているようです。
睡眠時間が普通の子より短いことから、少しでも睡眠の質を良くしたいので購入して良かったなあと思います。
3年使っていますが、全くへたる様子もなく、まだまだ使えそう。
語り出すと長くなるので、エアウィーヴのレビュー記事は別途書こうと思います(笑)
運動発達
一般的な3歳児の発達
- 片足で少しの時間立っていられる
- つま先立ちやその状態で歩くことができる
- うしろ向きに歩ける
- 階段を交互に足を出して上がることができる
- 3輪車のペダルがこげる
- 少しの高さならば飛び降りることができる
長女の成長 【座位】
座位はとても安定し、保育園で座位保持椅子を使用するのをやめました。
勿体ないので自宅では使っていましたけど。
本人も色んな所に座るのが楽しい様子で、重ねた布団の上だったり、丸椅子やキャンプ用の椅子などに座っていました。
キャンプ用の椅子は以下のタイプです。ゆったり背中をつけて座っていました。
以下のような足つきのオットマンに座るのも楽しんでいました。
背中に支えがないので、腹筋が鍛えられたり、バランスを取る練習になりましたね。
【移動】
- 立ち膝でピョンピョン飛びながら移動。
- 歩行器があれば、自由に歩ける。
- 手をつないで歩行も可能。しかし、疲れると膝から崩れることあり。
今まで四つん這いでピョンピョン飛びながら移動するバニーホッピングでしたが、手を使わずに立ち膝で飛んで移動する動きに変わりました。
時々、足を交互に出して膝歩きをすることも。
3歳代後半になると、片手つなぎでの歩行が安定してきました。
保育園での移動は、車椅子、手をつないで歩く、歩行器のいずれかです。
そして、車椅子の操作もこの一年でかなり上達しました。
自分で自由自在に方向転換し、狭い通路も通れるように。
保育園のドアは抑えていないと戻ってくることがあり、荷物を持って車椅子を押して出す作業が大変でした。
しかし、最近は私がドアを抑えて「外に出て」と伝えると、自分で通り抜けてくれるようになったので助かっています。
認知・適応
一般的な3歳児の発達
- 衣服の着脱が自分でできる
- こぼさずに食事ができる
- 四角や丸など簡単な図形を描ける
- 紙を二つに折ることができる
- ハサミを使うことができる
- お箸の使い方を覚える子もいる
- 4くらいまでの数を数えることができる
- 身近なものについて「大きい」「小さい」など比較ができる
- 絵本などの物語の筋書きを記憶することができる
- 生活のなかで覚えたことをごっこ遊びなどで再現できる
- 簡単なルールを理解し、守ることができる
長女の成長
上記の項目の中だと、
- 4くらいまでの数を数えることができる
- 身近なものについて「大きい」「小さい」など比較ができる
- 絵本などの物語の筋書きを記憶することができる
- 生活のなかで覚えたことをごっこ遊びなどで再現できる
この辺りは分かっている様子が少しあります。
1から10までは3歳になる頃には一緒に数えてましたね。
ただ、物をいくつか見せて「これ何個?」という問いに回答するのは難しいかも。
1~10まで言うことは出来るけど、数えるという概念があるのかどうか微妙です。
ただ、長女の場合、分かっていてもやらない・答えないということがあり、自分の中で確固たる自信が付いてから突然やり始めるということもあるので判断が難しいですね。
絵本などの筋書きについても内容を理解しているかどうかはともかく、次に何の場面が来るかというのは記憶しています。
同じ絵本やDVDを何回か見ていると、気に入った場面が出てくるタイミングで一緒言葉を発っしたり歌を歌ったりすることがあります。
療育手帳は重度判定ですが、重度の知的障害だからと言って、何も覚えられない・分からないという訳ではないのです。
「生活のなかで覚えたことをごっこ遊びなどで再現できる」という部分に関しては、お友達とごっこ遊びをすることは出来ません。
しかし、櫛を持つと自分の髪をとかす動作をしたり、ドライヤーを髪の毛に当てる・おもちゃのコップを持って飲む真似をするといったことはできます。
何気なく毎日やっていることが意外と身についていると感じた瞬間でした。
訓練や練習だと思うとお互い疲れてしまうので、なるべく日常の中で何気なくやっていくのが良いんでしょうね。
言語・社会性
一般的な3歳児の発達
- 2歳から3歳ごろは「言語の爆発期」と呼ばれ語彙が急激に増える時期。
- 名前や年齢などの簡単な質問に答えられるようになる。
- 基本的な挨拶ができるようになってくる。
- 「それからね」「それでね」といった接続詞や、「て・に・を・は・が・と」といった助詞も組み合わせて、3語以上の長い会話ができるようになる。
長女の成長
- あっち行きたいね~
- ○○したいね~
- おしまいです(半沢直樹の影響ややあり)
- 痛かったー(痛い場所を指差しながら)
- 怖かったー
- 「1、2,3」というと「ダー!」と答える。
- アンパンマンのメインキャラクターの名前を連呼。
- 「どうぞ」に対し「ありがとう」と返す(気分次第)
- 名前や年齢を聞かれて答える(気分次第)
- 新しい○○~(新しいものを要求する)
- ひっくり返ったー!(転んだ時)
- 危なかったー!(転びそうになった時)など
言葉は、爆発的に増えたという感じはないですが、緩やかに増えています。
2歳後半の頃は殆ど単語だったので、書き出してみると2語文が増えた印象。
3語文はまだまだ難しい様子です。
状況や気持ちを伝えられるようになったり、簡単なやり取りが出来るようになったのが、大きな進歩だなあと感じます。
余談ですが、長女はもともと何かを終える時「おしまい~」と言っていました。
ある時、大和田常務の「お・し・ま・いdeath!」が話題になっていると夫に話し、ふざけてちょっと真似をしたら、すぐに覚えて「おしまいです」と言うようになりました(笑)
結構大人の話しを聞いていますね。気をつけなきゃ、、、。
お・し・ま・い・death!TBSテレビ日曜劇場「半沢直樹2」より
ちなみに最近は言わないですね。
意外と流行りに敏感なのかな?(笑)
あと3歳代は遅延性エコラリアが凄かったです。※相手の言ったことをすぐに繰り返す即時性エコラリアも多かったですが
「アンパンマン」を連呼していました。
そのブームが終わるとアンパンマンのキャラクター名「アンパンマン、カレーパンマン、食パンマン、バイキンマン、、、」を連呼。
同時に「こわい~」と言うことも多かったです。
「こわい」は今も言うことがありますが、意味なくキャラクター名などを連呼することは無くなったかなあと思います。
この時は、
と思うくらいずっと言っていたので悩みましたけど(笑)
出典:アニメ銀魂第205話「食事はバランスを考えろより」
3歳の頃のリハビリ
PT(理学療法)月1~2回
- 階段の上り下り
- 平行棒に掴まって歩く。
- バランスボールに座りながら手を使っておもちゃで遊ぶ
- 下肢のマッサージ
- 歩行器(PCW)を使用して歩く。
- クラッチ(杖)を使用する練習
でも、先ほど書いた通り、自宅で過ごす中で食事の練習など普段なかなか取り組めないことが沢山出来たので、プラスの面もありました。
リハビリが再開してからは、クラッチ(杖)の練習をしてみました。
上記のリンクは大人用ですが、形はこんな感じです。
以前から歩行器を練習していて、こちらは上達して自在に操れるようになってきました。
保管場所のことを考えると歩行器より杖の方が良いと思ったんですけどね。
足と杖を出す順番を覚えたりと結構難しく、早くても年長さんとか小学校に入る頃に使い始める子が多いとのことでした。
『まずは歩行器でしっかり足腰を作りましょう』という結論に。
でも「杖を使わせてみたい」と希望した事に応えて、一度試させてくれたのは有難かったです。
元々車椅子も歩行器も、最初に試した時には上手くできず、しばらくして使えるようになったという流れだったので、杖もPTの時間で少しずつ慣らしていくことになりました。
ST(言語聴覚療法)月1回
言葉が増えてきたので、3歳代後半(4歳になる直前)にSTをオーダーしてもらいました。
まだ数回しか受けていないので、成長具合については何とも言えませんが、コミュニケーション面で相談できる先生がいるというのは心強いです。
歩行器(PCW)を作る
杖の前に、まずは歩行器で足腰を鍛えるという方向性から、PCW(ポスチャー・コントロール・ウォーカー)を作ることになりました。
作ると言っても既製品です(海外からのお取り寄せになるとのこと)
体格に合わせて色々サイズはあるようですが、長女は小さいほうから数えて2番目のタイプとのことでした。
海外からのお取り寄せと聞いて、いくらするんだろうと思いましたが、車椅子やバギーに比べると安価でしたね。
でく工房さんのページに、PCWを含む色々な歩行器が載っていたのでリンク貼っておきます。
歩行器を作ると同時に、サイズアウトした下肢装具も作り直しました。
早いもので、下肢装具も3足目になりましたね。
いつも私が選んでいましたが、今回は長女にカタログを見せて靴の柄を選んでもらいました。
すると、長女が選んだのは
緑地のバーバパパ柄。
それ以来、何か色を選ぶときは長女本人に聞くようにしていますが、やはり緑を選ぶことが多く、本当に好きな色のようです。
今まで女の子だからという理由で、とりあえず赤とかピンクを選んでいたんですけど、申し訳なかったなと思います。
自分で選べるようになったのも成長ですね。
次女との関わり
そんな疑問がありました。
人に全く興味が無い訳でもないけれど、関心を持つことも少ない印象の長女。
どんな反応をするか想像もつきませんでした。
そして、次女と共に退院した翌日の様子。
和室の端っこから恨めしそうな顔でこちらを見ていました(笑)
でも次女が泣くと気になるようで、ベビーベッドの隙間から覗いて様子を確認したり、おもちゃを入れたり、それなりにお姉さんらしい姿を見ることが出来ました。
最初の数カ月間は、、、ですけど。
次女は生後5か月でハイハイや掴まり立ちが出来るようになり、ベビーベッドを半年で返却しました。
すると、次女はタックルのように抱き着いて長女を倒すなど、段々ライバル的存在へと変貌を遂げていったのです。
地声も大きいので、長女はつい次女にイラっとしてしまうことが多く、次女の髪の毛を引っ張ったり、首根っこを掴むなどの攻撃を繰り出すこともしばしば。
目が届かない時は、部屋を柵で区切って別々に遊ばせたりしていました。
色々トラブルもありますが、保育園だけではなく自宅でも子ども同士のやり取りがあるというのは、とても刺激になっていたようです。
その中での成長の1つですが、ある日「お母さん」と呼んでくれました。
「ママは?」と人に聞かれて私の方を見て指差しすることは出来たので、私を母親だと認識していることは分かっていました。
でも、「ママ」や「お母さん」と呼ばれることは無かったんです。
今まで『呼ばなくても泣けば来てくれる』と思っていたようですが、次女が生まれてからは、すぐに駆け付けられないことも多くなりました。
それもあって「お母さん」と呼んでくれるようになったのかなあと思っています。
我が子に「おかあさん」と呼ばれるのは普通の事なんでしょうけど、我が家では普通のことでは無かったのでとても嬉しかったですね。
※ちなみに、次女が生まれてからきょうだい児についての勉強会に参加しました
まとめ
2歳後半~3歳代前半は、リハビリや療育の回数が少なかったものの、特に影響は感じられませんでした。
リハビリなどの療育は、低年齢ほど効果が表れやすいといった理由から、どうしても「3歳くらいまでに何とかしないと」と焦ってしまう親御さんも少なくないと思います。
しかし、実際に3歳を過ぎてみると、あまり年齢は気にしすぎない方が良いのかなあと思いますね。
今の長女の成長が、リハビリをした結果なのか、しなくてもそれほど変わらなかったのか、それを知る術はどこにもありません。
ただ、頑張って色々やっても、結局成長は本人のペース次第なので、焦ってもあまり良いことがないのは確かだと思います。
もちろん、親が頑張ることに生きがいを感じていて、本人も前向きに取り組めているなら問題はないですけど。
もし、「〇歳までに何とかしないと」と焦っている親御さんがいたら、あまり年齢にはとらわれず、出来る出来ないよりも、本人がどのくらい笑顔で過ごせているかという点に重点を置いてみて欲しいなあと思います。
まあ、過ぎたから言えることで、その渦中にいる時はなかなか難しいんですけどね。
今回の記事で、成長記録は現在の長女に追いつきました。
次回は、4歳半頃に書く予定です。
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