脳性麻痺の長女の成長~2歳6か月から2歳11か月編~
長女は1歳のときに『脳性まひ』と診断されました。
当ブログでは4歳半ころまでの成長記録を掲載しています。
この記事を読んで、あなたの子どもと似ている症状があっても、長女と同じ診断を受けるとは限りません。
あくまでもたくさんの症例の中の一例であるということを念頭にお読み頂ければ幸いです。
初めから読みたい人はこちら↓
前回の記事はこちら↓
2歳6か月から2歳11か月の成長
体格
まずは身長と体重から
身長:84.1cm~96.3cm(中央値:89.8cm)
体重:10.18kg~15.23kg(中央値:12.43kg)
身長 83.4㎝ 体重11.25kg
でも約半年で体重が1㎏ぐらい増えたので、ちょっと安心しました。
食事
- 形態→キッチンバサミで軽く刻む。
- フォークやスプーンに乗せると自分で口に運び、一口ごとにお皿にスプーンを置く。
- 自分で食べたい時に介助すると怒ることがある。逆に食べさせてほしい時もある。
- 水分はコップやストロー使用。喉が満たされている時は口からこぼれることが多い。
- 好きな物から先に食べる。好きな肉や魚を食べ終わって「もう無いよ」と伝えると、最初は嫌がっていた野菜を食べてくれる。
- 目の前に食器を複数置くと投げてしまう。
- 上手く口に入らない時・満腹なのに口に入れようとした時は、イライラしてお皿に手を突っ込み食べ物を握って投げることがある。
この頃は、まだ連続した動きが苦手でした。
一口食べるとスプーンを置く=1回で完結してしまう感じです。
スプーンを持ち続けるのも、本人にとってはかなりの労力。
私たちが普段何気なく行っている動作も、麻痺がある子にとっては大変な作業なのだと思います。
あと、目の前に物が複数あるのが嫌な様子で、お皿をいくつから並べると投げていました。
お皿を複数置かなくて済むようにランチプレートを使用。
それでも油断した隙に投げられることがあるので、最近は強力な吸盤タイプのお皿を使用しています。
私の中では最強クラスの吸盤です↓↓
一度置くと、そう簡単には取れません。
お皿と吸盤をネジのように回して接続させるタイプなので、お皿を回して分離すれば取ることが出来ます。
ただ、長女はこういった仕組みを理解する力に長けているため、既に『回せば取れる』と知っています。
今は回している間の時間で、投げられるの防いでいる感じです(笑)
フォークやボウルとセットの商品もあります。
上記の商品に比べると少し吸盤の力は落ちますが、こちらもしっかり固定されます↓
木の素材のテーブルだと問題ないのですが、座位保持椅子につけていたクッション張りの軟らかいテーブルだと吸盤が外れやすかったです。
クッション張りのテーブルを使用している方には、あまりお勧めできません。
睡眠
- 昼寝は殆どしない。
- 保育園で1時間前後寝ることもあるが、物音などですぐに起きることも多くなってきた。
- 夜間は時折夜泣きあり。
- 基本的に夜は一度寝ると朝までぐっすり。
夜間はしっかり寝てくれるので、昼寝をしなくてもトータルの睡眠時間は問題ないのですが、やはり保育園の生活では、かなり先生に負担をかけているので申し訳ない気持ちです。
今現在も皆が昼寝をする中、個別に対応して頂いています。
そして、たまにですが、夜間泣き叫びながら起きることも。
睡眠障害の一種なのかは不明です。
本当にたまになのでお薬を出してもらうほどではない感じ。
これが長女のペースなのかなと思いつつ過ごしていましたが、現在もお昼寝をせず夕方疲れた様子でゲッソリしていることがあるため、今後医師に相談する予定です。
運動発達
一般的な2歳児の運動発達
- しっかりとした足取りで歩く
- 走ることができる
- 少しの高さならばまたぐことができる
- 手を使わず両足を交互にあげて階段の上り下りをする
- しゃがむことができる
- 両足でジャンプすることができる
- ボールを蹴ることができる
- つま先立ちや背伸びができる
長女の成長
【座位】
前回の記事で書いた通り、2歳2か月頃、背中を壁につければ足を前に出して座ることが出来るようになりました。
その後、体幹が徐々に安定し、壁が無くても足を前に出して座ることが出来るように。
豆椅子にもベルト無しで座れるようになってきました。
こども病院にある小さな椅子に座って、絵本を読みながら診察を待つなんてことも出来るようになりましたね。
【移動】
相変わらずバニーホッピング(四つ這いでピョンピョン飛びながら移動)でしたが、時折交互に手足を出してハイハイもしていました。
掴まるところがあれば、伝い歩きで移動します。
長女の保育園は未満児クラス(0~2歳)の教室が2階にありました。
毎朝ハイハイで階段を昇っていたのですが、2歳10か月を過ぎた頃になると右手は手すりにつかまり、左手は大人と手をつなぐことで登れるようになっていました。
この階段でも、だいぶ足腰が鍛えられたと思います。
しかし、夕方以降など疲れている時は突然脱力して転倒することがあり、注意が必要でした。
認知・適応
一般的な2歳児が出来ること
- 力強い線を描くことができる
- 小さなものをつまめる
- ドアノブや蛇口などをひねる
- 手を使うときに力の加減ができる
- 簡単な衣服の着脱ができる
- 大きなボタンのかけ外しができる
- スプーンやフォークを上手に使える
- 両手指を組み合わせて手洗いができる
この頃の記録を見ると「服脱いで」と声をかけると、上の服は自分で脱いでいたようです。
声をかけても脱がない時は、少し手伝ってあげると脱いでいた様子。
長女と次女を育ててみて分かったことは、次女は一度何か出来るようになると、どんどん上達して出来なくなる(やらなくなる)ということが無いです(当たり前なのかもしれないけど)。
長女の場合は、習得したはずのことが、しばらく経つと出来なくなっていることが度々あります。
定着しないと表現したらいいのかな?
で、急いでいる時など、ついこちらも手を貸してしまうので、本人がさらに自分でやらなくなり、上達もしないという悪循環。
ほんと3歩進んで2歩下がるどころじゃなく、3~4歩下がってしまうことがあるんです。
噛み癖は相変わらずで、お絵描きやパズルなど苦手なこと・やりたくないことに直面すると道具を口に入れていました。
噛み癖に関して、一時期こちらを使用。
紐を首から下げる形なので、保育園では危険なので使えなかったですね。
自宅では結構長く使っていましたが、『噛むのはこれだけ』という形で定着させることは出来ませんでした。
やっぱり新しく気になるものがあると、そっちを噛んでしまうので。
でも、使用している間、噛んで欲しくないものを噛む頻度は確実に減っていたと思うので、買って良かったです。
ちなみに現在は、飽きてしまってほぼ使っていません。
たまにおもちゃ箱から姿を現し噛んでいることがある程度です。
言語・社会性
一般的な2歳児のコミュニケーション
- 語彙の量が200~300程度まで増える
- 「あたま」「おなか」「おしり」など、体の部位の名前を覚える
- 体の痛い部分を言葉で伝えられる
- 二語文・三語文を話すことができる
- 目で見たものを言葉で示すことが上手になる
- 「イヤ」「自分で」など気持ちを言葉で表現できる
- 「これはなに?」と、物の名前を知りたがる
- 色の名前がわかる
- 3までくらいの数を数えられる
- 上と下など対比する言葉を理解できる
- 昨日・今日・明日といった時間の概念がわかりはじめる
長女の成長
身辺自立は程遠い長女ですが、言葉の面ではかなり成長しています。
簡単な2語文が出てきて、自分の要求を言葉で伝えることが増えてきました。
- ○○頂戴
- ねんね~
- good-by(またはバイバイ)
- 頂きます
- (自分を差して)あたし
- 遊ぶ~
- 開けて~
- (椅子から)降りたい~
- 抱っこ
- おんぶ
- OK
- Good
- 赤、青、黄色
などなど
その他、大人が言った言葉をオウム返しで真似して上記に無い言葉も発していました。
発音は語尾を伸ばして独特でしたが、オウム返しするときの滑舌は比較的良かったと思います。
また、こどもちゃれんじEnglishのおかげなのか、GoodやOKなどちょっとした英語の発音が上手でした(笑)
こちらの言っていることは、我々が思っている以上に理解している印象です。
上手くできたり褒められたりした時は「抱っこ~」と良いながら抱き着いていました。
この頃のリハビリ
PT(理学療法)月1~2回
- 階段の上り下り
- 平行棒に掴まって歩く。
- 車椅子の練習
- 下肢装具を履いて座ったり立ったりしながら玩具で遊ぶなど
一時的にOT(作業療法)
この時期、スプーンを持って食べてくれることが増えてきたので、食具のアドバイスを貰う為、一時的にOTをオーダーしてもらいました。
そこで試しに利用したのがこちら
これ良いスプーンだと思うんですけど、ものすごく高いんです。
5000円以上するんですよ。
そこで先生が、100均の熱で軟らかくなる粘土を使用して手作りする方法を紹介してくれました。
しかし
柄が太いものが持ちやすくて良いとのことなので、結局こちらを購入しました。
このスプーンは現在も使用していますが、使い始めた当初は大きくて口に入れるのが難しかったです。
長女は3歳過ぎたくらいから丁度よくなった感じがします。
口が小さいうちはこちらを使用していました。
初めてショートステイを利用
長女が2歳8か月の頃、次女は妊娠7か月でした。
次女の妊娠経過はとても順調。
長女の時と違い私自身の体重コントロールも出来ており、体も比較的身軽でした。
妊娠7か月の安定期という油断もあり、気にせずに長女を抱っこをする毎日。
すると、
入院するほどでもないけど安静にするよう指示が出てしまいました。
長女は歩けないので、どうしても抱える必要があります。
幸いにも、出産に備えてショートステイの受給者証を取得した直後で、急遽こども病院に1週間ショートステイすることになりました。
本来、利用する前に1泊2日くらいで体験が必要なのですが、長女は数カ月前に親子リハビリ入院をしており、病棟の看護師さんや保育士さんが顔見知りの為、体験は免除に。
2歳8か月の子を1人入院させるのはとても心配でしたが、1週間頑張ってくれました。
集団保育などにも参加させて貰い、少し大きいお兄さんお姉さんに可愛がって貰っていたようです。
その後、出産直前と出産時に2回ショートステイを利用しました。
この時は、私もこども病院の産科に転院しており、私の入院と一緒に長女もショートステイを利用。※元々通っていた総合病院の産科が民間バンクのさい帯血保管を取り扱っておらず、こども病院に転院しました。
病棟は別ですが、時折様子を見に行くことが出来ました。
これ以降、ショートステイは利用していませんが、何かあった時のために受給者証は常に更新を続けています。
ショートステイは事前に予約が必要でした。
切迫早産の時はたまたま病室に空きがあり、急でも利用できましたが、病室に空きがない場合もあります。
出産予定日付近はなるべく優先して入所出来るように相談員さんと病棟側と事前に打ち合わせをしていましたが、場合によっては1~2日待つ可能性もありました。
受け入れ先によっても条件は異なると思いますが、普段からレスパイト(介護者の休息)などで利用することに慣れておくと良いと思います。
バギー型車椅子を卒業し、車椅子作製へ
2歳になってすぐの頃、車椅子に乗ってみたことがありましたが、全く自力では動かせませんでした。
2歳9か月になり、もう一度チャレンジ。
しばらくタイヤなどを観察し、全く動く気配を見せない長女。
『今回もダメかなあ』と諦めかけたその時、突然漕ぎ始めました!
方向転換までは出来ませんが、どんどん前に進みます。
『ここまで自分で動かせるなら車椅子を作っても良さそう』ということになり、申請することに。
手続きに関しては後日別途書こうと思うので、ここでは割愛します。
今まで自分の意志で移動出来なかった長女が、自分で行きたいところに行けるようになる。
発達を促す期待も出来るし、本当に嬉しかったです。
母である私が、誰よりも車椅子が出来上がるのを心待ちにしていました(笑)
あと、余談ですが車椅子を作ると同時に、下肢装具もサイズアウトしたため作り変えました。
ちなみに前回装具を作った時の記事はこちら
SLBからSHBというプラスチック製の下肢装具になりました。
装具の上に靴を履きます。
装具を作る時に1足付いてくるのですが、保育園では年少クラスになると上履きが必要なため、自分でも購入しました。
こちらの靴は片方ずつ販売。片足3500円位です。
靴はハイカットの物や別のカラーバリエーションなど、いくつか種類があり楽天に販売ショップがありました。
↓↓販売ショップはこちら↓↓
まとめ
長女が3歳の誕生日を迎える数日前に次女が誕生。
2歳後半から3歳前半は、リハビリや児童発達支援事業所に行く回数は減ってしまいました。
それでも、保育園での生活があったので、長女なりにゆっくりと成長していたと思います。
次女が生まれてから、長女に新しい変化が見られるようになりました。
次回、脳性麻痺の長女の成長~3歳編~に続きます。
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